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この結界の魔法、高位ということもあってか中々の効力である。
まず、発動者の害になるような生物は侵入不可。
もちろん結界の外からの攻撃も、中に影響を及ぼすものは全て弾き返す。
そして、この結界は発動者以外に外から感知するのが非常に困難なのだ。
だからその瞳を眠りの世界へ旅立つために閉じようとした彼女は、結界内に突如現われた光を見て酷く驚いた。
「え・・・っ?って、きゃあっ!?」
それこそ、木の枝から落下するほどである。
「いたったたぁ・・・」
枝の上、地面から七メートルほと上からではただの光にしか見えなかったのだが、並んでみるとその光が人の形を形成していることに気が付く。
「なんなの・・・、これって一体」
人間とはもともとの寿命が違うエルフであるエリシアも、そこそこ長く生きているがこんな現象は初めてだった。
なにより自分の結界内に無断で侵入されたことに、驚きよりも警戒心が強まる。
彼女が息を呑み見つめる中で、その光は徐々に形を整え・・・・・・・・。
「うそ・・・・人間?」
光が去った後には、目を閉じたまま直立している黒髪の男がいた。
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