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時渡り
時は平安
美しい顔に、やや茶色の長い髪、青い瞳を持つ巫女がいた
名を安倍聖羅(アベノセイラ)といい、
安倍晴明(アベノセイメイ)の従兄妹にあたる
そしてここ、羅城門には、先に紹介した2人の影があった
どちらも妖と疑うほどの美貌の持ち主だ
晴「聖羅、星が吉凶を告げている
…天子が二手に分かれると…」
銀色に輝く髪を靡かせ、金色の瞳に月を映しながら、晴明は言った
その目は、まるで猫のように瞳が縦長だ
聖「…天子‥でございますか?」
晴明の流麗な顔を見ながら、突然の預言めいた言葉に、聖羅の顔は強張っている
晴「作用…天子だ」
少し肌寒い風に唐絹が揺れた
てっきり天文学の話題を予想していただけに、聖羅は一瞬ポカンとしてしまった
聖(…天子ねぇ…私は何も感じなかったけどな…)
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