夢と現実の境を見失う

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わかっていた反応なのに、胸に鈍い痛みが走った。 周りの空気が一気に張り詰めて、息苦しい。 「出掛ける…つもりだったんだけど…」 「なら今出ろ」 苛立った口調。目はもう私を見ていない。 「それとも、濡れて帰ってきた俺に無駄足ふませる気か」 この声を聞いていると、いつも首元に刃物を突きつけられた気分になる。 少しでも俯けば今にも突き刺さりそうに。
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