瘡蓋は剥がれて膿み始めた

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「…っ…ふ…」 そうして俺の胸にさらけ出される、静かな静かな泣き声。 「わ、たし…どうすれば…っ…兄さん…!」 溢れて、流れて、やがて枯れるまで。 どれだけ涙は流れただろう。 その冷たい身体を、明伎が泣きやむまで放さずにいた。
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