罪でも罰でもなく、償いに似せた逃避

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『〝ごめん〟も〝ありがとう〟もいらない』 温かで幸福で、だからこそ誤魔化しばかりの自分にそんな優しい言葉ほど痛くて息ができなくて。 少しでも現実を遮断したくて目を閉じる。いつも私を守ってくれる兄さんの姿を瞼の裏で見ながら。 (兄さん) ありがとうと、ごめんを、同時に叫んだ。
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