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「…裕司郎、あのね」
「ん?」
時折私を見透かすあの視線はやっぱり少し苦手だけれど。
それは私を理解しようとする優しさであることも知っている。
裕司郎は普段の行動ひとつにも、常に私を考えてくれていた。
私を隣にしたときの裕司郎は、今まで少しもそのスタンスを崩したことがない。
そんな親友に、このまま何も言わずにはもういられなかった。
両親のことはまだ時間が必要だけれど。
せめて兄さんとの関係は、打ち明けたい。
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