今日の向こうが崩れる音を聞く

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夕暮れ時、けれど夕日は濁った厚い雲の奥に閉じられて、空は赤でなく灰に染まる。 (あ…) 日中は晴れていたとはいえ、昨日までの雨がまだ名残ある空。そこでようやく気付いた。 こんな寂れたところに寄ろうと言ったのは裕司郎だけど、私の家には近くても彼の自宅は方向が逆だ。 もし降り出してもすぐ帰れるようにと、気遣ってくれたんだ。
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