暗闇の引力で光の外へ

2/12
前へ
/572ページ
次へ
私達の関係の分、距離をとりながら母の背について歩く。 艶めき、丹念に手入れされた母の黒髪が風に波打つ。 母を他人が見れば二人の子の親とは想像もつかない美しさだ。 美しくあろうとするその執念の理由を、知っているのは私だけ。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加