暗闇の引力で光の外へ

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「原因はお前なんでしょう? 全部失くした私から…連まで奪っていくのね」 胃の中がかき混ぜられたように酸味が喉までせり上がって、ぐっと手のひらで口を覆う。 「そう、全部無くしたの。あの人は連が欲しかっただけ。私の価値などそれだけだったのよ」 「母さん…やめて…」 どろりと黒く粘る母の闇が私の中まで押し寄せる。
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