最良の答えは足元にあった

5/13
前へ
/572ページ
次へ
「連、私と一緒に居てくれるでしょう?」 「…!」 耳に飛び込んできた母の言葉に、私も兄さんさえも目を見開く。 「母さんにはもうあなただけなのよ」 (母さん…っ) 言いようのない恐怖にそれ以上ふたりを見られない。 そのとき、裕司郎が抱えていた私をより強く胸に抱き寄せて、視界を覆った。 “見るな”と。 その腕の強さで伝えながら、私の代わりに母と兄さんを見やる。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加