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「母さん。俺はこの家に残る」
「連…っ」
「今はまだ明伎を一人にはできない」
「…! そう…ならその明伎がいいと言えば、私のところに来てくれるのね?」
兄さんの肩にすがりついていた母の目がそこで私へと向けられる。
「あなたならもう大丈夫でしょう? わかってくれるでしょう? 私にはもう連しかいないって」
「…ぁ…」
誰にも見えない両手が私の喉元に、するりと掛けられる。
震え上がる私を母から隠すように、私を抱く裕司郎の腕に力がこもる。
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