産声をあげたのは命じゃない

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『ひどい子。あのときの話を、もう一度しなくてはならないのかしら』 身をわきまえない悪い子だと。子供を叱りつけるさながらに、母のため息が聞こえる。 『あの人にとっての価値は家を継ぐ連だけよ。私は愛されてなどいなかった…いいえ、連を産むためだけに愛されていた』 母は、後妻だ。 前妻は父との間で長男に恵まれなかったために離婚させられ、父は今の母と再婚した。
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