手を放した。自由になってと。
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「気にするな、」 傍らに膝をついて目線を合わせた裕司郎は、 きっと私がなにを思ったのか察したんだろう。 冷えないようにと布団を深く被せてくる手が、そのまま私の頭へとそっと触れてくる。 「……、」 けれどそれ以上の言葉はなかった。 言葉は無意味だと知っているのかもしれない。 だからこの優しい仕草を言葉の代わりに。
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