清算の雨に傘はいらない

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「家に帰るの?」 上着を羽織る裕司郎を見て問いかける。 裕司郎は昨日から家にも帰らず学校を休んで、つきっきりで私の傍にいてくれていた。服も昨日から制服のままだ。 それが夕刻時の今になって身支度をしている。時折腕時計を確認する様子に、帰宅するための身支度ではないと、声をかけながらも私は察していた。
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