清算の雨に傘はいらない
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「いや。少し出かけてくるけど、すぐ戻ってくるよ。センセが帰って来てから行くし」 「…もしかして、兄さんに会いに?」 今も腕時計で時刻を確認した裕司郎が、別段動じることなく私に顔を上げる。 「ん。連さんのほうも心配だし、こっちのことも気になってるだろうからな」 「裕司郎、あの」 「元気にしてるって伝えるだけだよ。全部話したりしないから」
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