心は雨に阻まれて届かなかった

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うなずきが返ってきたものの、冷静な印象しかない裕司郎が今は平常心を失って呆然としている。 「すみません…俺が無理に会おうと言ったから」 「お前のせいじゃない」 そう言う俺だって取り乱しそうな自分をどうにか堪えているだけで精一杯だ。 「先輩はどこに、」 「俺は…家の近くを探す」 きっとあいつはそこに来る…その確信が俺と明伎を繋ぐ糸がまだこの指に結びついていることも確かにする。 繋がった糸が、あの家へと俺の直感をたぐり寄せるのだ。
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