ただ、君の幸せを願う涙

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(兄さん…) 私自身さえ諦めた私を、まだ。 まだ諦めないでくれるの、兄さん。 「もういいんだ、兄さん…」 焼け付くような熱に胸を焦がれ喉にこみ上げて、声を張り上げて泣いてしまいたくなる。 兄さん。 そうやって兄さんが砕いてきた心は、私にはもったいない。
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