ただ、君の幸せを願う涙

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「そんなこと…兄さんに言われたくない……!」 くだらない、くだらない、兄さんの言葉が目の前を通り過ぎる。 生まれたときから私は私自身のものではなかったけれど、兄さんを好きになった心だけは私のものだよ。 兄さんが自分の心に従っていまそこに立つように、私の心が選んだ結末は兄さんにだって責められる謂われはない。 くだらないと、兄さんがこの決意を蔑むなら私は、兄さんに初めて逆らうよ。
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