ただ、君の幸せを願う涙

20/26
前へ
/572ページ
次へ
「もうお前のいない俺になんか戻れないんだよ…俺はもう、二度とお前を失ったりしない」 肩に食い込んでいた兄さんの指が、ゆるゆると力を失っていき。 「お前が行くところへーーー俺も行く」 「…にいさ…」 「お前と同じ場所に…そこにお前がいるならどこだって…だから」 私の肩に、兄さんが額を埋める。 降りかかる温度と、重みと、涙は、兄さんの想いだった。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加