これは、いつか幸せになるための約束

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まだ止まない雨の中を、兄さんに手を引かれながら、その広い背中を見つめながら、歩いていく。 「ねえ、兄さん」 「なんだ」 兄さんはいつもそうだ。 こうして私のひとつ先を歩く。私が転ばないようにと道を開いていく。 道の終わりに先に立って、私がたどり着くのを手を差し出しながら待っている。
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