これは、いつか幸せになるための約束

3/15
前へ
/572ページ
次へ
「今ね。雨、恐くないんだ」 それまで私を責めたて追い詰めるものでしかなかった雨は、私の身体をそっと通り抜けて透明な雫を胸に満たしている。 満ちて、やがて溢れて、根深い底にずっとわだかまっていた記憶を洗い流していく。 それを不思議には思わなかった。 だってこれは、
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加