帰るところ、待ってくれる人

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「今度会うときがお見送り…もういつ会えるか、分からなくなる…」 兄さんの前で笑顔でいた分の涙が、フローリングの上に弾ける。ひとつ、ふたつ、みっつ。 どうしてとかなぜとか、理由を問う言葉もなにも聞こえてこなくて。ただ、 「っ…?」 ふいに体が暖かなものに包まれて、思わず顔を上げる。タオルが音を立てて足元に落ちた。
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