帰るところ、待ってくれる人

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「…がんばったね」 ーーーがんばったんだね、 川上先生の手が、何度も私の背を優しく叩く。 「ちが…私はなにも…」 そんなことない、と諭すようにまた背中をそっと叩いた先生。 本当だよ。私はなにもできなかったよ。 がんばったのは兄さんで、先生で、裕司郎だ。 でもだからこれからは、がんばるみんなと一緒に私もがんばりたかったんだ。
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