帰るところ、待ってくれる人
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「母さんと一緒に行く」 明伎を送ったあと自宅へ戻ると、俺の姿がなく居ても立ってもいられなかったらしい母がすぐさま抱きついてきて、その身体は震えていた。 父に突き放され続けた恐怖を俺に重ね見てしまわせたらしく、心の底から怯える母を、肩に手を触れて宥めた。 ーーーこの人は、すでに不幸に呑み込まれてしまった哀れな人だ。
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