「さよなら、明伎」

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なにごとかと思ううちに、裕司郎がまるで秘密の話を持ちかけるようにこちらの耳元に手を当てる。 『俺なんかよりずっと、あなたは守れてます』 「…!」 〝守って、くださいね〟 裕司郎と初めて会ったとき言われた言葉を思い出す。 短い耳打ちをした裕司郎はすぐに姿勢を戻して、いつもの飄々とした笑顔をみせた。
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