失ったあなたを夢に見る

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『明伎』 この夢なら、このままずっと目覚めなくてもいい。 雨を怖がる私を、やさしく撫でてくれる手。 この手を、失ってしまってからどのくらい経ったのか。 そう長くはないはずなのに。心臓の中心には長い長い時が経ったような虚無感が黒い穴をあけていた。
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