大人へ、未来に一番近い今へ

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あの日。 空港を後にして車に乗り込み窓を開けた私は、朝が目覚めたばかりの大空へ消えていく飛行機を見た。 時間は本当に流れているのか。 時計ばかりを確認したほどに、私を取り巻く歳月ばかりが長かった。 それでも私自身は大学へ入り、それもつい二年前には卒業を迎えている。 私の外側を流れる時間は矢継ぎ早で、自分と外界との時間の食い違いについていけず、何度も何度も置いて行かれた。 …あの日の私だけを置いて、あれから時は6年を刻んでいた。
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