大人へ、未来に一番近い今へ

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「まだプリント残ってるだろ、さっさとノルマこなしやがれ」 「だってむずかしくてやりたくないっ!」 仰向けに寝そべり手足をばたつかせてごねる女の子を、裕司郎は容赦なく引っ張り起こす。 「わかんねーなら教えてやるから」 「せんせいザツなんだもんッ」 「ぁんだとう?」 「あきせんせいのが上手だもん!」 「上等だガキ、喜べ。つきっきりで俺が付いてやる」 「げぇ…」 賑やかなふたりのやり取りに吹き出しそうになりながら、私も生徒の指導に戻る。
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