大人へ、未来に一番近い今へ

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その話は、もちろん真っ先に親友へ打ち明けた。 同じ大学を出ていた裕司朗は驚いたことに、自分もそれを手伝うと名乗りを上げてくれたのだ。 給料を分相応とか以前に、この塾の開業資金は裕司朗が半分近くを持ってくれている。 「おかげ様で生徒の数もだいぶ増えたし、先生があと一人必要かなって考えてるくらいだよ」 「お、マジ? 入れよーぜあとひとり」 「裕司郎だれか知らない?」 「頭も顔もいいのが、ひとり」 私にとってそこは問題ではないのだけれど、裕司朗の人を見る目と基準には絶対の信頼を寄せているので、任せてみることにした。
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