あの頃未来だった場所で、あなたを待っている

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裕司郎は机に顎を乗せたままで左腕にしている時計を確認するーーー七年弱使い続けている年季の入ったG-SHOCKだ。 裕司朗が川上先生と同居を始めてからだいぶ久しくはなっていて、同居を告げられる前には二人の関係を知っていたので、驚くことはなかった。 今日は仕事量が多いという裕司朗のボヤキを聞いた先生が、ちょうど有給が余っていたのでそれを使って手伝いに来てくれるという話になったそうだ。 「っと、来たかな」 噂をすれば裏口のインターホンが鳴る。 迎えに出た裕司郎は、ほどなくして先生とともに戻ってきた。
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