あの頃未来だった場所で、あなたを待っている

9/11
前へ
/572ページ
次へ
「あのさ、覚えてる?」 しばらく心地よい雨音で満たされていた教室内を、親友の声が現実に引き戻した。 「ひとり増やすって話で、今日面接入れたこと」 「あっ!」 そうだった、と口に手を当てた私にやっぱりなと裕司郎が苦笑し、先生も顔を曇らせる。 「雨に濡れてるんじゃないかい?」 「大変っ、もう近くにいるかな」 「明伎、ちょっと見て来てもらっていいか」 「え?……う、うん、わかった。どんな人?」
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

452人が本棚に入れています
本棚に追加