雨の記憶

あの頃未来だった場所で、あなたを待っている

「行ってあげなさい。あの子も、ずっと待ってたよ」

こちらを見つめる、そんなふたりの笑顔に。

私はハッと息を呑んだ。

―――ー…もしかして。

そう目を見開く私に、二人は笑顔のまま、頷いて見せる。

「…っ…！」

その瞬間にはもう二人の傍を通り過ぎて教室を飛び出していた。