「おかえり、兄さん」

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「俺は…俺たちは…会えた、のか…?」 私を抱く腕が強くなる。 まるで確かめるように。 兄さんの言葉の意味を知って、私は兄さんの胸に額を預けて、そうだよ、と頷いた。 「兄さんを好きな私に、私を好きでいてくれる兄さんに」 いつかまた会えると信じた未来の自分達に。 会えたんだよ。 だから、兄さん。 「おかえりなさい」
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