夢は日々へ羽化をした

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そのときの母の笑みと、笑みの下に秘めた感情を、兄さんの話を介して見た気がした。 (やっと…救われたね)   母さん。 やっと。あなたの二度目の人生を、自分に許してあげられるね。   「私、電話してみる。母さんに」 「ああ。母さんもたぶん…どっかでお前待ってる気持ち、あると思う」 きっと大丈夫だ、と。 昔からくれたその言葉を、今また変わらず私にくれて、兄さんは優しく頭を撫でてくれるのだった。
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