夢は日々へ羽化をした

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「あたらしいせんせい、ここどんなするの?」 「…こう」 「こうってどうするのってば!」 「…これを、こう。」 「はあ…ゆーしろーのがいいや。お顔はせんせいのがすきなのになー」 「…。」 まるで立場がちぐはぐな女の子と兄さんとのやり取りに、自席で採点をしていた私は堪えられず吹き出してしまう。 それでも抑えめに笑ったつもりだったのに、兄さんはしっかり聞こえたようで、じとりと湿っぽい半目を向けられてしまった。
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