あなたと虹になる

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「おふたりさん、今日はデート日和ですよー」 ふたりは口を揃えてにんまり笑って。 自分はカードを切ってさっさと行ってしまう裕司郎と、本職はどうしたのか川上先生がそのあとを追って行ってしまう。 「…」 「…。」 一瞬の台風が去ったその場で私と兄さんはぱちくりとお互いを見返し。 数秒を経て、なんだかむず痒い苦笑をしながら。 「出かけるか、」 「うん!」   私たちは持っていた全ての荷物を手放して、真昼の空の下へと出た。
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