あなたと虹になる

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もしかして、兄さん。 「泣いてる、の?」 ぴくり、と反応した手は、もうこれ以上は痛くなりそうなくらい握り締められていたりして。 「まだ泣いてない」 「まだ?」 「……」 ばつが悪そうに黙り込んでしまった兄さんの背中に、私は見えていないのをいいことにこっそり笑った。 (好きだよ) 兄さんが、大好きだ。   
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