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「ハァ、ハァ、」
1人の少女が息を切らせながら必死に走っている。さながら何かから逃げるように…実際、彼女は逃げている。複数の人影が追いかけているのだ。
しかし、その人影は少しばかり異形であった。羽根を生やした者、腕が異様に長い者、獣の姿をした者、とにかく普通ではない。
こんな時に限って、私の内にいるもう1人の存在は何の反応もない…。いつもは邪魔なくらい話しかけてくるのに、心中で悪態を吐いたとき、追手の1人に追い付かれてしまった。
「離して!!」
叫んだ瞬間私を掴んだ男が吹き飛んだ。
「え…」
「ありゃ?なんか蹴った?」
少年が男を吹き飛ばしたらしい… それが、彼との出合いだった。
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