第壱章

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カララン 心地よいベルの音が鳴り響いた。 空間に広がる珈琲の香りを肺に入れる。 …いい香り。 と、奥の席で手を振る溝野を見つけ、舞乃は表情を引き締めた。 舞乃は、駅前の喫茶店に来ていた。 時は、数時間前に遡る__ 『そうか、、、いや、よく決心してくれたね。』 「はい。ただ、質問があるんです。」 『まあ、それもそうだ』 『だが、君の家の電話代金も心配だ、ここは一度会ってみるのはどうだね』 舞乃は、YESの返事をためらった。 もしも犯罪や誘拐に巻き込まれたら… 、、、そうだ、 「構いません。ただ、僕の家の住所を知っているのなら、近所の駅前の喫茶店がいいんですが…」 『構わないが、何故だい』 舞乃は一瞬言葉に詰まったが 「落ち着くんです。」 『そうかね、…まあいい。こちらとしては1時ごろがいいのだが…』 「構いません。では、その時間に」 『ああ、頼むよ』
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