第壱章

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そして今に至る。 「__何か飲むかい?」 僕の目の前にいる…40代といったところだろうか、溝野遥利(ミゾノハルトシ)が口を開いた。 手紙の印象と違い、会社の重役という感じに見える。 「_舞乃君?」 はっ、と我に返る。 …珈琲という気分でもない。 「じゃあ、ミックスジュースを。」 既に店員が来ていた。 溝野は、 「ミックスジュースとチーズケーキ、ウィンナコーヒーを頼むよ」 と店員にいうと、僕の方に向き直った。 程なくケーキとジュースと珈琲が運ばれてきた。 …当然のようにケーキが目の前に置かれる。 なんでチーズケーキが好きって知ってるんだろう? 「まあ、聞きたい事は山ほどあるだろうね」 「はい、まず_」 何故僕が選ばれたのか。 あなた達は何者なのか。 何故僕の事をよく知っているのか。 そもそもどんなゲームなのか。 挙げるとキリがないが、おおざっぱにいうとこんな感じだったはずだ。 それらの質問に溝野は丁寧に答えた。
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