そして貴方のもとへ

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今日も一日がやっと終わった。 自宅に仕事が終わり戻った私、工藤アリサは現在27歳の派遣社員。 仕事はひとつの恋が終わると次へ次へと転職を繰り返している。 もう周りの女友達は結婚してたり、子供もいたりしている中で私はまだそんな運命的な出会いをしてはいない。 仕事も、ころころ変わっているけど仕事は好き。それに熱中してれば嫌な事も忘れられる。 本当は仕事を変えたくないんだけど… いつもいつも仕事先で「恋」をしてしまう。 それは上司だったり、同僚だったり。 ・・・それこそ不倫だったり・・・・ もう実際、現実の恋愛に疲れてしまった。 束縛されるのも、愛人という立場で寂しい想いをしたり・・・ 恋は私を私でいさせなくさせてしまう。 だから私はいつも自分から恋を終わらせては仕事場を変えるようになってしまった。 自分の夢ってなんだったかも忘れてしまうくらい、毎日がつまらない。 「あーぁ。夢の中くらい良い事ないかなぁ…」 私は、シャワーを浴びにお風呂場に向いながら、時計が22時を指している事に気付く。 「早く寝なきゃ。明日も早いし」 派遣社員とは云え、残業はある。 私はシャワーを浴びて、すぐにベッドに入ろうと思った。 シャワーを浴びると少しナイーブになる。 今日もつまらない一日にしてしまったと、後悔をする。 ザァーっというシャワーと共に、今日の出来事と心を洗い流したいのに、心のモヤはシャワーでは流しきれないようだ。 「早く寝よう…」 私はそう、一人ごちた。
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