ディスティニー

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「アリサ、今日は久しぶりに何も予定もない。ずっと一緒にいよう」 そう彼は優しく囁く。 私は嬉しくて笑顔で 「うん!」 と、答える。 二人で庭を散歩する事にした私たち。 手を握り合って、ゆっくり歩く。 初夏の暖かさが心地いい。 そしてなによりこの私の右手に握られた大きな手。 暖かい。 少し硬い彼の大きな手。 そして私より頭ひとつ大きい背丈。 私と仁太さんは仁太さんのお仕事についてお話していた。 私はとてもそれが嬉しくて、たまに私が微笑むと彼がちょっと照れて頭を突く。 そんな何気ない時間。 ここでは私たちは恋人同士。 だけど仁太さんは任務が終わるまで忙しくあまり私の家には来られないみたい。 そしてやっと来れた今日、私が廊下で転がっているのを見て私を揺すって起こしたようだった。 私はこの数時間、今まで感じたことのないくらいの幸せな感覚をずっと感じていた。 私はこの人となら一生生きていける、この人となら幸せになって死ねる。 そんな風に思えて仕方なかった。 そして一通り散歩し終わると縁側に腰を二人、下ろした。
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