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「川畑これ、M社の早川さん宛てに送っといて!速達な!!」
大量のサンプル品とカタログをデスクの前に積まれたそれらを
どう梱包しようかと焦っているのが私
川畑明日香。
荷物を取りに来るのが17時10分
やばい
あと10分ないじゃん
私の働く会社はめちゃめちゃ大手でもなければ
そんなに小さな会社でもない
普通の出版社。
そこで私は働いている。
経費削減なのか、梱包する紙もコピー用紙の包み紙を裏返して使っている。
これだけの量のカタログやらサンプルやらをきれいに包むのはなかなか難しい。
適当でいいなんて同僚は言うが、そうはいかない。
性分なのだ。
開いた時にサンプルが綺麗に見えて、
なおかつ表の紙と紙のつなぎ目も 綺麗に仕上げたい。
しかし、
そんなこんなしているうちにエレベーターの開く音がして 荷物を取りに来る時間になってしまった。
「おせわになってます。寿運送です!お荷物はこれだけで宜しいですか?」
「すみません。もう一つあるんですが少し待っていただけますか!?」
私は、デスクから急いで梱包してる感じを見せてそう言うと
「じゃあ、今ある荷物先に積んじゃいますんで大丈夫ですよ」
感じのいい青年が、
にこりと笑って荷物をエレベーターの前に運び始めた。
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