とんでもないヤツら

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とんでもないヤツら

午後4時50分、十三課の面々はいそいそと帰り支度を始めていた。 「今晩、あなたの歓迎会を兼ねて八課の皆様とコンパを開催致しますの。是非お来しくださいますわよね」 三越来夢が未来に声を掛けてきた。来夢は顔もカワイイし、あどけなく甘いアニメ声でスタイルも抜群、男を虜にするフェロモンに満ちている。だからあらゆる所に交際相手がいるのだ。 「八課っスかぁ。あそこの連中ときたらむさ苦しいのばっかなんスよね」 横から四ノ宮舞が割り込んできた。確かに怪獣退治専門のチームである八課には体育会系の男たちが多い。 「あ~ら、あのワイルドな魅力が分かりませんの?それより、お子さんの方は大丈夫ですの?いつかのように赤ちゃん同伴でコンパなんてイヤですわよ」 「大丈夫っス。今日は翼が休みだから」 そう、舞は19歳のヤンママなのだ。天才的な操縦テクニックで空軍のエリートだったのだが、そこのチーフといい仲になってできちゃった婚をしてつい最近まで産休だったのだ。職場復帰してこの十三課に配置換えになってからは子守をダンナや両親に任せてコンパや飲み会に参加しまくっている。ダンナや両親の都合が悪い時には赤ちゃん同伴でコンパに参加したこともあるとんでもないコである。 「私は帰らせていただきます。コンパなどという低俗な事には興味ありませんので。勤務時間外に何をしようと関係ありませんが、私まで巻き込むのはやめてください」 盛り上がっている来夢と舞に冷たい視線を送ってきっぱりと言い放つ未来。その冷たい態度に二人が文句をつけようとするが聞く耳はない。 「勤務時間外のプライベートは誰の指図も受けません」 未来が冷たく言い放つのと同時に終業時間を告げるチャイムが鳴った。さっさと帰ろうとする未来の前にまりあが立ちはだかった。 「言ってくれるね~。先輩の誘いを断って偉くなるためのお勉強かい?」 まりあが未来の鞄を取り上げた。なるほど、中には難しい本がぎっしりと入っている。 「コンパが低俗だって?どうせ勉強ばかりして男と付き合ったことなんてないんだろう。男性経験もないようなヤツは女として半人前以下だね」 容赦なく言い放つまりあ。未来も負けじと睨み返す。
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