決死のチキュウ侵略計画

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何度もリストラの候補に上がりつつ今日まで会社に残ったのは、その超暗くて重苦しくてどんよりとした能力(?)のおかげである。彼がいるだけで空気はどんどん暗くなり、人々はうつ状態になってしまうのだ。そのおかげで侵略に成功した星も少なくない。ネクラーがいると味方とてうつ状態になってしまうので普段は特殊防壁の個室に隔離されているのだ。営業所長のオヤジでさえ個室など与えられていないのに平社員の分際で個室を与えられるとはある意味大した男である。 「いつかR星を侵略した時のように暗く重苦い空気を撒き散らしてくれるだけでいいんだ。お前の暗さならビューティエンジェルズをうつに陥れてあるいは勝機があるかも知れん。成功報酬は弾む、さっさと出撃してくれたまえ。私ももう限界だ」 真っ青な顔で俯いてオヤジはネクラーの部屋を後にした。これ以上ネクラーと面会するのは精神的に限界だ。 意を決してネクラーはどんよりと出撃して行ったのを見届けるとオヤジは寝込んでしまった。
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