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男「おい。で、どうなったんだよ...アレは?」
女「しっ!誰かに聞かれたらどうすんのよ!」
男「大丈夫だって。で、どうなったんだよ?アレ。」
カランッとコップの氷が溶ける。しばらくして、
女「...運んだわよ。主人に言われた通りにね。」
男「そうか!よかったよかった!」
女「で、報酬は?」
男「フフフ、こっちだ...」
男はバーの奥に女を手招いた。女はドアをくぐった。その時、男は後ろ手に持っていたメイスを振り上げた。今、まさに女にメイスがクリーンヒットする瞬間、女が着ていた外套を男の顔に叩きつけた。
バシッ!!!
男「っっっつ!」
ダメージはそれほどないがいきなりだったのでメイスを取り落とした。それを女が床に着くまえに掴み、そのまま振り上げた。(男性読者諸君、此処からはきついぞ。)女が持っているメイスは見事に局部に当たった。
男「ぐうっっっっ!?」
男は腹を押さえてうずくまった。いや、正しくは襟を引っ張られて倒された。
女「ハアー。やはり伯爵の予想は正しかったか。」
女の顔は先と打って変わり目に不気味な眼光が光っていた。女は男の側に転がっていたメイスを蹴り飛ばし男に声をかけた。
女「おい、お前っ!」男「ひっ!な、何なんだよお前はぁ!!!」
女「おっと、まだ名乗ってなかったな。俺の名前はアリス。サンジェルマン伯爵の従者だ。」
男「さ、サンジェルマン。サンジェルマンってあのサンジェルマンか?じゃあ貴様は...まさか...」
アリス「そう。俺はお偉いお偉い女王サマの為に無償で働いているただの雑用係だよ。」
男「じゃあ頼んでいたアレは...」
アリス「ああ、アレか。アレはサンジェルマン伯爵に私といたよ。」
男「そ、そんな...!!!」
男はショックだったのか気絶してしまった。
アリス「チッ気絶しやがった。伯爵!居るんだろぉ!」
アリスが外に向かって叫ぶ。するとバーのテーブルの後ろから
伯爵「やはり気付いていましたカ。」
アリス「覗きとは良い趣味してやがる。」
アリスは額に青筋を浮かべた。
伯爵「マアマア、良いじゃあないですカ。」
アリス「くそがっ!で、どうだったんだよ。アレは。」
伯爵「.....やはり模造品でしタ。本物とは程遠イ。」
アリス「チッまたハズレかよ。しょうがねーなー。」
伯爵「マア、また探せは良い事なのデ。」
アリス「その探すのも俺がやるんだろうが!」
伯爵「そうでしたネ。」
アリス「じゃあ行くぞ!」伯爵「はイ。行きましょウ。」
二人は裏口から外へ出て、家路に着いた。
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