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「うーん。最初は敵対してる族の仕業かと思ったけど、身内のが断然ありえそう……」
智は顎に手を当てて、ジッと洸一を含む4人の様子を見ていた。初めはてっきり敵が行ったことかと思ったが、あの様子を見るとどうやら自分の勘はハズレたらしい。
そこへ他の子分たちが4人の光景に呆れながら寄ってくる。
「倉田さん、今回もきっと犯人あの3人の誰かですよ」
「え。今回"も"?」
「前回は洸一さんが行く場所至る所に薔薇の花びらを撒かれる。という事件がありました」
「その時の犯人はキクジーさんだったな」
「その前々回はツルが朝から晩まで洸一さんの後をつけて盗撮してたの見たな」
「あとムッさんが洸一さんを睡眠薬で眠らせて、目を覚ました洸一さんの前で亀甲縛りをした自分を見せる。という謎の行為が行われたらしいですよ」
「それ拷問だよ!」
他にもいろいろありますけど聞きます?と聞かれたが智は首をブンブンと振り拒否した。
「ちなみに洸一さんはムッさんがやったやつ以外犯人が誰なのかを知りません」
「洸ちゃんの将来がとても心配になってきた!!」
鈍感すぎるのにも程があるよ!
今時少女漫画の主人公にだってこんな爆発的な鈍感な子いないよ!?
そんな智の心配を余所に子分達が「じゃあ今回の犯人が誰なのか賭けしよーぜー」「今回は絶対ぇ勝ってやる!」「負けた奴は○野家の牛丼おごりなー」とうい会話をしていたのを、3バカトリオを相手にしていた洸一はその真実を一生知ることはないだろう。
果たして、今回の犯人は一体誰なのか―…
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