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『まぁ、ツルを疑うのはよそうぜ。仲間なんだからよ』
「こ、洸一さん…!」
仲間を疑うのは嫌だし、何よりツルが俺の私物やらを盗んで何のメリットになるんだ?俺がそう言えばツルは笑顔で目をウルウルさせ子犬の様に見つめてきた。
うん、こんな可愛い後輩がそんなことするわけない。俺より背が低ければ頭をわしわしと撫でてやりたいくらいだ。
「洸一さん!騙されないでください!コイツ裏では洸一さんの靴の匂い嗅いで興奮するような奴ですよ!?」
きもちわるっ!何その嫌がらせ。そしてツルがそんなことをする訳ないだろ。
「俺は洸一さんの足に踏まれると尋常じゃないくらい興奮します」
誰もお前の興奮材料なんか聞いてねぇよ!お前の存在自体が尋常じゃないわ!
ムッさんを冷たい目で見てたら、もっと蔑んだ目で見てください!と興奮しはじめたので、直ぐ様目を反らした。
「洸一さん、キクジーさんだって怪しいんスよ。この前洸一さんのお気に入りの指輪べたべた触ってたっス!」
「誤解を招く様な言い方するな!洸一さんが身につけるものだからピカピカに磨いてただけじゃ」
『てめぇ何してんだ』
キクジーさんの言葉を遮ってガッと胸ぐらを掴む。
「何故僕だけ!?」
扱い違くありません!?とか言ってるのを無視して拳をつくってみると、「ちょ、顔だけは止してくださいよ顔だけは!!」とキクジーさんは両手で必死に顔を隠す。その光景を見て何故だか悲しくなった。
「ご主人様!殴るのなら是非この豚めを!!」
お前は黙れ。
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