ゲーセンで出会った不思議な子の話

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なんだかすごい打ち解けてしまって、あの喫煙所で一体何分話したろう。 そうなってくると、男としては「連絡先知りたい」 という欲望が出てきしまう。 20~30分話した時くらいだったか 趣味の話になってて俺が言ったんだよ。 「ちょっとね、イラストを描くのが好きで…」 ゲーセンにいた子だし、こういうことにもちょっとは興味を示してくれるんじゃないか なんて淡い想いもあったわけだが… 「イラスト?」 笑顔いっぱいだった女の子が急に、すごく暗い顔になった。 「ま…その話はいいよ…」 「それじゃ、また…ゲーセンで会えたらいいね… 予想外だった。 連絡先どころか、ほぼ喧嘩別れクラスの雰囲気の悪さで別れてしまった。 イラスト、ちょっとくらいはテンション上って話が膨らむかなと思ったんだけど… もしかしたら、そういうのが嫌いな人だったのかもしれない、 そう思って俺は落胆した。 「一体あの子は何だったんだろう…?」 キャスケット帽が似合ってたのは覚えてる。 でもそんな風貌でゲーセン来るなんて… 俺はすごい気になった。
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