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早朝の学校はとても静かで、
聞こえて来るのは、
"君の音"だけ。
足音、ボールが跳ねる音、
ボールがゴールに入る音。
その音が心地よく私の耳に
入ってきた。
「お、篠岡、また練習
見に来たの?」
「うん♪あ、もしかして
邪魔だった?」
幸村くんはニコッと
微笑み首を横に振る。
「いや、逆に嬉しい♪」
ドキッ
こんな単純なセリフに、
私の胸は高鳴った。
朝、幸村くんはいつも
ここでバスケの練習を
している。
いつの間にか、その練習を
見るのが私の日課になっていた。
「幸村くんはさ、将来
バスケ選手が夢だったり
するの?」
素朴な質問に彼はボール
を持ったまま動きを止める。
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